コロナによる収入減で住宅ローンの返済に苦しいがどうしたらいいかわからない、という方のために、金融機関勤務者として開設します。
収入減による住宅ローン返済の苦境
本日の日経新聞に以下の記事が掲載されております。日曜日のMr.サンデーでも収入が減り、住宅ローンの返済ができない為に自宅を任意売却する方が取り上げられていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60920290Z20C20A6EA1000/
記事では20代の住宅ローンが増えていることをさも悪のごとく記載されていますが、ライフプランが固まっているのであれば、住宅ローンは早めに借りた方がいいです。若いうち借りれば今後の所得増で多少、生活に余裕がでますし、何より、定年までに返済を終えることが可能なので。もちろん、住宅販売業者の口車に乗って、無理なローンを組んでしまってはいけませんが。。。
銀行への返済は最劣後
金融機関で働く私が言うのもあれですが、生活が行き詰った時、最も劣後するのは銀行への返済です。劣後するといっても、何もしないと住宅を競売にかけられますが、収入減少による住宅ローン返済が難しいことを取引金融機関に確りと説明すれば、元本部分を一定期間据え置くことは概ね可能です。
Mr.サンデーで取り上げられていた方は、自宅を処分することにしていましたが、正直、最悪の方法です(あれがフィクションでなければですが)。返済のリスケジュールをすることに抵抗があるかもしれませんが、住む家を失うことの方がはるかにリスクが高い行為です。もちろん、食費に対しても住宅ローン返済は劣後します。食わないことには死んでしまいます。
小泉政権時代の竹中が金融に大なたを振るっていた時代は銀行は不良債権処理の為、貸し渋りや貸し剥がしが起こっていましたが、今は時代が違います。良くも悪くも、亀井さん肝入りの金融円滑化法が施行された後(時限立法であり、既に失効)、金融庁マニュアルは隠し不良債権をあぶりだす資産査定から大きく舵を切り、より債務者に寄り添うことを求めています。
そうした金融庁の方針もあり、不良債権を出したくなかった銀行もお上のお墨付きがあればとリスケにも柔軟に応じています。
無理のない返済計画を
コロナのような不測の事態による返済難は仕方ありませんが、「ボーナス」「残業代」「配偶者の所得」、これを所与のものとして住宅ローン返済プランを策定すると、何かあったときに返済計画が破綻する可能性が高いです。
ボーナス、残業代は会社の業績が悪くなると削られます。決して約束されたものではありません。また配偶者の転職や休職の可能性もあります。ダブルインカムであったとしてもどちらか一方の収入のみで返済できるような計画にすべきです。
最後に
返済が苦しくなった時は悩まず、まずは銀行に相談です。家があれば生活の立て直しは可能です。